満ち欠けの物語

結果は現実逃避ポエミーブログ

音楽劇マリウスここを観て!~音楽劇マリウスを観て②~

【注意】音楽劇マリウスのネタバレを含みます。未観賞の方はご注意ください。また、レポではないので音楽劇マリウスの詳細なレポートを読みたい方のご希望にも沿えません。ご了承ください。

 

話さずにはいられなかった。あの舞台の良さを。

でもお友だちが少ないのでネットに投げることにしてしまいました。 

一般的には皆様ネタバレって苦手だと思うのですが、ネタバレばっちこいだよむしろ公演数あまり行けないから絶対見逃せない見どころ教えてよって人たまーにいません?私のことなんですが。

なので超個人的音楽劇マリウスここを見てポイントを挙げておきます。全て一個人の感想です。

ネタバレが平気な方、または既に観劇を終えた方の感想の記憶合わせに読んでいただけたら幸いです。

他にもっとここがよかった!というところがありましたらこっそり教えてください。覚えてない/見てない部分だったらすごく悔しがり羨ましがります。

 

①マリウスの顔を見て

 

だってかっこいいよね。

でもそれだけじゃない、顔ファンならずともマリウスの顔を見てほしいんです。

もともと表情のバリエーションが多くてくるくると変わる豊かな表情がとても好きなんですが、マリウスではそれが存分に発揮されています。

目は口ほどに物を言う、そして口も何も言わずとも物を言う。拗ねたように唇を突き出したり皮肉っぽく口角を上げたり呆れたように口を三角にしたり。

まだ思いを伝え合う前、マリウスとファニーの目線が偶然合ったときの優しい笑顔なんて…初々しくて甘酸っぱくてこちらまで恋に落ちそうでした。

役者モードの時しかお目にかかれないと思うのですが、私は照史くんが弱々しく微笑むのがとんでもなく好きです。

八の字眉を下げて、形のいい唇が少し歪んで、長い睫毛が影を作って。100%アイドルスマイルをできる人がすこしためらいの気持ちを入れ込むだけであんなにも魅力的になるのはどうしてなんでしょうね。

 

②歌を聴いて

 

アイドル桐山照史ではなく役者桐山照史が歌うところを初めて見たので衝撃が大きかった。

伸びやかで美しい歌声はアイドルモードと変わらず健在なんですが、アイドルのそれよりもっと深くて力強かった。

そういえばマリウスは全体的に照史くんより声低かったな。舞台の発声だからかもしれないけど。アマデウスモーツァルトは甲高い声で下品に喋る役だったから同じ舞台でもだいぶ印象が違うように感じました。

ファニーの歌も素敵です。迷いがなくきっぱりとまっすぐ通って。ファニーは声だけで美女だとわかる声!(演じてるの美織ちゃんだから当然ですが…)

2人の歌声の重なりが美しかったです。ただの願望として2人にホールニューワールドをデュエットしてほしい。

 

③フラメンコ

 

ハイパーお色気タイム。

ちょっと茶化さないと正気を保てなかった。

マリウスの内なる情熱や焦燥感が踏み鳴らす踵や叩く掌からリズムとなって伝わって。息遣いが叫びのようで、汗の粒が見えるようで。

ただ表現力が貧困で品性が足りないので「性的…」と思ってしまいました。

照史くんのダンスもともとすごく好きなんですが、彼のダンスの特性はしなやかさで特におへそから股関節周りが柔らかく自由に動くところが(別に変な意味ではなく)魅力だと思っていたので、重心をぐっと下ろして「止め」の姿勢を続けるフラメンコのようなダンスは新鮮でストイックで驚いて、そしてめちゃめちゃにかっこよかったです。色気……!!

 

④セザールとパニス

 

やっぱりお二人は凄いですよね。客席笑わすも泣かすも自由自在でしたもの。

セザールなんてかなり勝手で情けない父ちゃんなのに、柄本さんに演じさせることでその裏側にある悲哀や情愛をしっかり感じさせてしまうのはちょっとズルいな~と思いました。あんなの泣くしかない。

パニスはもうマリウスファニーパニスの3人のパートが最高に笑えて。若い2人がパニスというか正蔵さんの手玉に取られているのが愉快でした。流石笑いの世界のプロ。

 

⑤アンサンブルにだってそれぞれ人生がある

 

物語を回していくメインの人間関係の外で、市井の人々もきちんと生きている。

マリウスはマルセーユの人々は毎日の繰り返しに慣れて緩みきっていると感じて嫌気が差しているけれど、その平凡で変わり映えしないように見える人生を送るひとたちにもそれぞれドラマがあるんです。

わかりやすいところではプティとニャちゃんの恋。距離が近付いていくたびにきゅんとします。プティは目がキラッキラしてて出てくるだけで世界が春を迎えていた。

ジプシー女もとってもかっこよくて好きです。猥雑なマルセーユのなかでも異端で、プライドを持って異端でいるようで。

劇中ではたくさんの言語が飛び交って、「みんな」この街が好きで満足してると言うけれどマルセーユ生まれマルセーユ育ちの登場人物って実はメインキャラくらいなんだと思います。余所者がたくさん流れ着きまた出て行く街で、特に多くの旅人が集まる場所で生まれ育ったマリウスが、外の世界に憧れて囚われてしまったのもまた運命だったのかな、と想像すると少し切ない。

 

 

他にもたくさん見どころがあります。

手際よく飲み物を準備するマリウスとかテーブル拭くマリウスとか何気なくファニーに寄り添うマリウスとか椅子片付けるマリウスとかスカーフ外すマリウスとかエプロン外すマリウスとかいつもシャツのボタン開けすぎてるマリウスとか…マリウス……。

 

しばらくマリウスがすごくよかった話しかできませんが、私の狭小な視野でもあなたが音楽劇マリウスを思い返す、または更に楽しんでいただく1つのきっかけになるならば嬉しいです。

いい舞台だったな~!