満ち欠けの物語

結果は現実逃避ポエミーブログ

たったそれだけのこと、でも思い過ごせないこと

ちょっと色々思うことがあった。

ゆえに愚図がぐずぐずしてしまった。

 

自分が入っていない公演でレポを読んだだけ、それなのに言及するので不愉快になった方がいたら申し訳ありません。

でも、今、彼らがやっぱり大好きだからこそなんでモヤモヤするかを言っておきたい。

 

概要を簡単に説明すると、男性アイドルのアリーナ公演にて、アンコールで盛り上がるなかファン(大多数が若い女性)に対して「ジャンプして」と言い、ジャンプさせてる間ファンの胸元を見つめていた、というようなことです。それだけ。

 

そう、それだけだ。

 

わたしは今までにいくつの視線を、言葉を、「それだけだ」と見過ごしてきたんだろう。

「それだけ」の中にある不快感にはっきりと気付きながら、空気を読むことを優先してただ苦笑いを浮かべた日が何度あっただろう。

 

「女として見てくれてるってことだから自分なら嬉しい」という意見も目にした。そういう人はきっといるだろうし、もちろん彼はそういった人に向けたファンサービスの一環のつもりだったのだろうと思います。

彼のサービス精神や嬉しかった人の気持ちを否定するつもりはないんです。

 

だけど、「女性」として扱われるのと「女体」として扱われるのとは全然違うものだということはわかっておいてほしい。

後者は女として扱ってるかもしれないけれど人間扱いはされてない、とわたしは感じます。

 

他人の肉体に魅力を感じるのは悪いことじゃないよ?他人の肉体に性的興奮を覚えない限り私たちの生命が繋がれはしないから(まさに愛の奴隷…)。

 

しかし2020年も間近に迫る今日、「他人の肉体を性的に消費しています」と平然とアピールできること自体、世の中に対してだいぶ無神経でかっこ悪いな……と思います。

しかも公共の電波には乗らないとはいえ、老若男女集まる場所での行為だった。

ポリコレ的に、なんて言葉でぼかしたくない。いい大人として、いや、人としてアウトだ。

 

ただ擁護というか諦観というか、日本の芸能界はただでさえ世界に比べれば人権意識に疎い日本社会をさらに10年くらい遅らせた場所みたいな気がするので、思春期の頃からそこで育った彼らが一般的な感覚とずれているのも仕方ないとも思っている。

そして散々消費されてきた彼らに他者を消費することを禁じるのは身勝手なようにも思う。

 

それでもやっぱりね。

君たちが相手にしているのは女の肉体ではなく女の肉体を持っているだけの人間だ。

だから君たちが想像しているよりばかじゃない。生きているし考えることができる。

君たちの頭の中で他人をどう消費したってそれは勝手だけど、「他人の性を消費する俺」を表明するのは親しみやすさのアピールでもなんでもなく、ただただ世間の流れに鈍感でダサいことなのだとまずはわかってほしい。

 

こんなつまんないことで大好きな人たちにケチをつけたくないな。

みんなの友だちになれるアイドルだと信じてる。